2012年7月4日水曜日

リンカーンの言葉

第16第アメリカ合衆国大統領Abraham Lincolnの言葉

... government of the people by the people for the people, ...

は、「人民の人民による人民のための政治」などと訳されて日本でも有名な言葉。 中学の時に英語の授業で習った覚えがある。 その時、すぐに感じた疑問は「of the people」と「for the people」何が違うのかという事だった。 正直未だによく分からないし、よくわかっていない人(明確に答えられない人)の方が多いのではないか。 学校で教わったような「of」は所有、「for」は目的?などという説明ではちんぷんかんぷん。 これを正確に答えるためには、peopleとされる人に何ができるのかという権限と絡めて説明しないと意味が無いと気づいた。

今、これと同じように国民に与えられた権限とは何なのか考えさせられる問題として、外国人の参政権がある。 私の感覚からすれば、なぜそんな大事なものを外国人に与える必要があるのかと、むしろ疑問に思ったのだが、 これを訴える人の言い分を聞けば気持ちは全く分からないでもない。

参政権を与える理由として、まず第一に挙げられるものは納税である。 長いこと日本に住んでいて納税しているもはや日本人と同じように義務を果たしているのだから参政権を与えてもいいじゃないかと。

気持ちは分からないでもないが、納税と参政は全く独立なものである。 我々普通の日本人が海外旅行に行けば税金を払わされるけど、 だからと行って少しも海外の国の政治に携わることはできないし、 税金を払っていない日本人にも日本国の参政権はある。 納税をするのは公共サービスを受けるための利用料だと思う。 例えて言うなら、飲み屋でいくら金を払ったからと言って、 その店のお酒の値段を決めたりできる経営者やオーナーには成れないのと同じではないか? この場合、オーナーの、店員による、客のための飲み屋、かな。 この飲み屋の登場人物が全部、人民(=国民)に置き換えられたのがリンカーンの言葉だと考えれば、 「of」と「for」の違いが明確になる。 つまり、for the peopleの「for」はサービスを受ける主な対象を指しているのかなと思う。 「of」は構成員で人民から選出された人が政治・行政を行うということ。 「by」は当然、その選出は人民が行うということ。

要するに今の日本を踏まえてLincolnの言葉を意訳するとこうなるのかな。

... government of the people by the people for the people, ...

... 選出された国民で構成され、二十歳以上の国民全員の選挙による、国内に居る人全員のための、あ政府