2012年7月22日日曜日

捨てれない人は優しい人

整理整頓のコツは要らない物を捨てることだという.全くその通りだと思う.ついついこれは捨てるの勿体無いなとか,そのうち使うかもしれないとか考えて置いておいてしまった物が整理整頓のじゃまになってしまう.

私は,どちらかというと整理整頓が苦手な方だが,全くできないという訳でもないのでいつも微妙な汚さを保っている.苦労しながら整理整頓しようと頑張っているという感じだろうか.捨てれない物がたくさんあるなかで,気づいたことは・・・捨てないということは物を大事にしているようにみえて,他の用途に使用できる可能性のある空間という目に見えないものを粗末にしているということだ.

しかし,本当にその考えでいいのだろうかと思い直した出来事がある.それは,部屋を整理整頓しようと二着の冬物コートを捨てるためにクローゼットから出して,床にとりあえず置いた後のことである.私は,少しつかれていたので床に腰を下ろして休息をとった.その時,おしりにふんわりと柔らかく暖かい感触を感じた.先ほど捨てようと床に放り投げたあまり着ていない冬用のコートである.必死で私にその着心地を訴えているように感じた.

そういえば,私は,小さい頃,自分のコップを床に落として壊してしまった時,泣いたことがある.母親に怒られるからではない.コップがかわいそうだと思ったからである.だってそのように教えられていたのである.全ての物には心があると.車や家を擬人化したアニメはいくらでもある.なんのためか.物を大事にするため,人の心を感じ取るためじゃなかろうか.そこらじゅうに見えない神様が居るとも教えられていた.2000年以上続く日本古来のからの教えである.

そんな自分が,整理整頓ために一度は自分が可愛いと思った物をポイポイと捨てられるだろうか?昔の人が物を捨てられないのは当然ではないか?着古した着物も縫い目をほどいて,その生地を再利用していたのである.ず~っとそうやって来た.なのに今,部屋が狭いという理由だけでその物を捨てられるだろうか・・・

捨てられないという性格は,単に整理整頓できないというバカにすべき性格というだけではなく,子供の頃に教えられた優しい気持ちを残しているということではなかろうかと思った.