2013年5月11日土曜日

スターウォーズを見れば分かる敵国日本

スターウォーズ大好き

スターウォーズは、大好きな映画の1つ。 特に、古い3作、エピソード4、5、6はハリウッド映画の最高傑作だと思う。 子供の頃テレビで放送されたものをVHSに録画して擦り切れるほど何度も見た。 宇宙空間をものすごいスピード飛び回る宇宙船は、全人類の男の子共通の夢じゃないか。 未だに、ミレニアムファルコン号が狭い隙間を縫って飛び回るシーンを想像することがある。

スターウォーズの帝国軍=大日本帝国軍

そんな大好きなスターウォーズだけど、最近この映画が第二次世界大戦、特に日本そのものを描いていることに気づいた。 第二次世界大戦中の日本と言えばもちろん大日本帝国。 以下、スターウォーズと大日本帝国との共通点をあげてみる。

皇帝天皇
ダースベーダーの姿甲冑姿
ライトセイバー日本刀
フォース精神力
同盟軍連合軍
スーパー・スター・デストロイヤー戦艦大和
突進してくる帝国軍の兵隊特攻してくる日本兵

どうだろう、この偶然の一致(笑)。 少し無理やりかもしれないけど、スーパー・スター・デストロイヤーが共和国軍の小型宇宙船に集中砲火を浴びて沈み行くシーンと、 (映画か何かで見たのだろうか)戦艦大和がやられるシーンとの類似性を発見した時には鳥肌が立った。 ストーリーはそのままに言葉とキャラクターを第二次世界大戦のそれに置き換えれば、案外普通のアメリカ視点のドキュメンタリー映画になってしまうんじゃないか、とすら思う。

染み付いた「帝国=悪」のイメージ

でも本当に偶然なのか? 「フォース」や「ジェダイ」などの言葉は、日本の精神性を連想させるし、彼らの戦いはチャンバラそのものだ。 ジョージ・ルーカスが黒澤監督の映画に影響を受けたという話は、嘘か本当か分からないが有名な話。 これが本当だとすれば、日本人である黒澤監督を尊敬していたということであり、 日本を敵視してこのようなストーリーにしたとは考えにくい。

私の想像は、第二次世界大戦という出来事は、アメリカなど戦勝国の教育に深く心に刻み込まれ、 悪の集団の極みを想像するとすれば、それがどうしても当時の日本とナチスになってしまう、んじゃないかかということ。 たぶん日本がどんな悪いことをしたのか詳しく説明できる人は少ない(せいぜいパールハーバーの不意打ちを挙げるくらいだろう)。 それでも悪と言えば、例え日本に敬意を払う人ですら、絶対悪としてのナチスと日本が連想して出てくるんじゃないか。 そういえば、スターウォーズの帝国軍兵士の制服はナチスの制服を連想する。

「帝国=悪」のイメージは結構一般的になっているように思う。 そもそもなぜそうなんだろう? このスターウォーズのせい?天皇=大日本帝国軍の戦犯のイメージから? 「帝国主義」という言葉もある。これは完全に悪のイメージ。 それともGHQのせいで「大日本帝国=悪」と教育されたから? 「帝国ホテル」や「帝国大学」と聞いて悪のイメージはない。 帝国≒王国なのだけど「王国」と聞いて悪のイメージはない。 フランス革命以後、王様を倒して自由を勝ち取り、民主主義に変わったという西洋のイメージから、 「帝国=悪」になったのではないか?

いずれにせよ、絶対悪としてのナチスと大日本帝国を連想してくれなければ、 アメリカが非戦闘要員の住宅地に原爆を落としたり、 焼夷弾で町ごと焼き払ったことの正当性は失われてしまうのは事実だと思う。 だからスターウォーズの正義と悪の対立構造を見て、大日本帝国軍のような帝国軍を見て、 すんなりとどちらが正義でどちらが悪かを、認識できるのだと。

国連は未だに日本を敵国としている

では、大日本帝国=悪のイメージは、頭に染み付いたイメージなのか? 実際問題として、国際連合憲章に「敵国条項(Enemy Clauses)」というのがあるらしい。 ここには、2013年5月11日現在、未だに第二次世界大戦当時の敵国(日本、ドイツなど)を悪として扱う旨の記述がある。

第53条

1. 安全保障理事会は、その権威の下における強制行動のために、適当な場合には、前記の地域的取極または地域的機関を利用する。但し、いかなる強制行動も、安全保障理事会の許可がなければ、地域的取極に基いて又は地域的機関によってとられてはならない。もっとも、本条2に定める敵国のいずれかに対する措置で、第107条に従って規定されるもの又はこの敵国における侵略政策の再現に備える地域的取極において規定されるものは、関係政府の要請に基いてこの機構がこの敵国による新たな侵略を防止する責任を負うときまで例外とする。

2. 本条1で用いる敵国という語は、第二次世界戦争中にこの憲章のいずれかの署名国の敵国であった国に適用される。

直訳だからだろうか、意味不明の文章だけど、よく読むと要するにこう書かれてる。 まず1で、軍事力を使うなら国連の許可をとれよと。もっとも、敵国は例外だけど。 次に2で、敵国ってようするに第二次世界大戦中の敵国のこと。 つまり、この2つを組み合わせると日本への軍事行動は国連の許可なしでもOKと書かれている! 隣国などがこれを悪用しないかと心配になるのは当然でしょ。

そもそも国連という名前がおかしい

国連は国際連合の短縮形として学校で習ったが、そもそもこの訳がおかしい。 英語で書くと「United Nations」である。 直訳すれば「連合国」であり、それは第二次世界大戦で勝利した側である「連合国軍」の連合国である。 連合国軍は英語はAlliesが使われているようだが、連合国軍の目的や敵国が何処なのかを明記した「連合国共同宣言(The Declaration by United Nations)」は、日本の敗戦前に作られた文章であり、やはり連合国軍=The United Nationsであることが分かる。 決して「連合国」を「国際連合」という新しい単語にすり替える必要はない。

ズボンのことをボトムスなどと呼び変えて、新しいものかのように装うファッション業界とは違うので、 本来名前なんかどうでもいいのだが、ここに歴史的経緯がある以上、その名前がついた経緯が重要である。 誰でも知っているとおり、安全保障理事会の常任理事国は戦勝国そのものである。 そして無条件に拒否権というどう考えても差別的な権利を持っている。 その国が世界の安全保障を考えてようが、考えてまいが、である。 要するに最終的には戦勝国の都合が正義としてまかり通る組織だということだ。

民主主義を理念とする新しい共同体を

この組織の常任理事国が自分たちの特権を手放すことは、決して、無いだろう。 この不平等があるかぎり、必ずその不満がたまることになる。 常任理事国よりも国力のある国が、今は日本やドイツくらいしかないかもしれないが、 これから増えてきた時にはその不満が爆発する危険性が常にある。 最大の武器である民主主義という理念、国民一人ひとりの自由を大切にするという原則を持った国どおしが結束し、 平等な権利でその次代に国力のある国がリーダーシップを取れるような仕組みをもつ、 「国際民主主義連合」のようなものを作っていくべきではないかと思う。

スターウォーズのちょっとした発見から、ここまで連想するのはやり過ぎだろうか?

参考