2012年7月4日水曜日

留学生さん、その“復興支援活動”は偽善ですよ。

私は震災当時、訳あって外国にいた。そして未だに帰ってこれない状況にあり、どうして肝心な時に自分は何もできないんだろうと思うばかりである。気持ちだけは愛国者のつもりである。それだけに日本人が団結して復興支援に乗り出す姿は心動かされるものがある。

でも、どうしても納得いかない"復興支援”がある

それは海外で日本人が行う復興支援の呼びかけ。具体的に私が見たのは、震災後何ヶ月も経ったにもかかわらず、海外に留学中の大学生が「被災した人たちを助けるためにどうか募金お願いします」などと呼びかけて、外国人に募金をさせる、あれ。結論から言うと、それは全く悪意がないが、日本人に自立心がないために起こしてしまった勘違い行為だと思う。

なぜか? 

まともな大人なら直ぐ理由は分かると思う。分かる人はこの先を読んでもがっかりするだけで、それ以上のことは書いていない。あたりまえのことを書いているだけだから。それでも、自分の考えを整理するために書こうと思う。自分の子供が将来同じようなことをやっていたら、ちゃんと理由を説明してやるために。

その"復興支援”に納得いかない一番の理由は、自分が日本人なのに、外国人に日本人のために助けてくれと言うことは、自分を助けてくれと言っていることと同じだから。だから、日本国内で日本人に向けて別の日本人(被災者)のために、助けてくれと言うことは、何の問題もない。外国人が、他の外国人に対して、日本人(被災者)を助けましょう、と言うのも同じく問題ない。

自分を助けてくれと言うことが、なぜいけないか?この部分なかなかうまく説明できないが、自分を助けてと言ってもいいのは、自分が本当に危機的状況にある場合だけだと思う。それが自立心ということだから。

では、震災にあった日本(自分たち)は、他人にお金を援助してもらうほど危機的状況だろうか?全くそんなことはない。震災にあっても、それでもなお、GDPが世界第3位のどうどうたる経済大国であるし、日本政府は日本国民に借金していても日本全体では外国への借金なんかない。つまり、世界ではお金持ちの方なのである。むしろ、この経済危機の中、他国を支援しようとしているのが日本である。そういう事実は、知っているのであろうか?

では、震災直後、募金活動をするのはなぜか?それは、震災復興のための予算を確保するためには、時間がかかるから、直ぐにでも必要な人のために、予算や法律うんぬんの問題抜きで直ぐにお金を渡すためにやるのである。つまり一時的なお金のためで、長期的に復興のためのお金が足らない訳ではない。

それなのに、外国人に対して助けてくれと言うことは、自分の兄弟が病気をして、自分たち家族には貯金がたっぷりあるのに、他人に対して病気をした兄弟のために援助してくれ、と言う行為と同じである。要するに、ただの物乞いではないか?

 しかも、私が見たのは留学生である。留学費用を自分で稼いでいるようには見えない。募金しろと言うくらいなら、他人にお金を恵んでくれと言うくらいなら、まず自分の身を削るべきではないか?その留学費用を募金すべきでは?

納得行かないもう1つの理由は、集めた募金ができるだけ早く使ってもらえるように行動していなさそうだから。一部の人と話してみたが、どうもそういうことはしていないらしい。募金活動はしても、そのお金がどう使われようと、興味ないという団体(人)は多いのではないだろうか?

なんで?それは本当の復興支援か?

今回、政府の対応がまずくて集めた支援金がなかなか被災者に渡らないという問題があった。この時、政府に文句を言った人がどれくらいいるのだろうか。多くの人は、募金はするけど、政府に文句を言ったりしない。首相官邸にメールするだけでも構わない。誰だってできるはずの行為でもである。

それは、募金活動という、善意の活動としてみなされる、聞こえの良い、心地よい行為はするけれど、政府に文句言うという、他人に「えっそこまでするの?」と思われてしまうような行為はしたくない、ということではないか?要するに、自分のためにやっているだけではないか?そうなら、はっきり言ってただの偽善行為である。

私は、その留学生達が悪意あって、そのような私から言わせれば偽善行為をしているのだとは、全く思わない。単に、ちゃんと考えて行動していないだけだと思う。その根底にあるのは、自立心の無さではないだろうか?自分たちが主役で自分たちが頑張らなければならないという自立心である。それは他人に助けを求めることでは、決してない。

留学生ならばそういう横道にそれたような活動に力を入れるよりも、しっかりと勉強をして、将来の日本のための人材になることこそが、本当の復興支援ではないだろうか。